自己紹介

自分の写真
tokyo, Japan
パソコンとお香があればだいたい幸せです。

2013年12月25日水曜日

うさぎ

季節のせいか、

年齢のせいか、


日に日に外界と接したいという欲にかられてます。


それを承認欲求と片付けてしまうというのもどうかと思うのです。



愚かでも、外界と繋がってまっすぐに生きている輩に
感動したりして。




ぼくはどんなフィルターを求めてるのかって。
そればかり考えていて、利己的で。


バスケットや海外や。

繋がってもいないくせに。
いつか本気を出せばって。


ダサすぎる。


だって、Statelessの旋律が気持ちよすぎるんだもの。


寝るね。おやすみね。

2013年12月12日木曜日

シソンヌ




久々に面白い芸人見つけました。



さて、

寝て、起きよう。

2013年11月27日水曜日

それでも

禁断の先へ。

白き王子になろうか。

しかし、馬は何処へ。


妄想も、

未来を創り変えることも、

同義じゃないかと、

強がってみます。





散々な目に遭っても、
忘れ方を知らなくても、
僕は行くのだ。

2013年11月20日水曜日

走る、アデルノ。④

紺、黒、灰、本当は桃を。


アデルノが、毎朝のライニングに行かなくなって、
彼は毎晩、夜更かしを覚えるようになった。


ベッドやソファに横になり、
ただただ、ボーッとする。

ただただ、
ボーッと。

悩んでいるわけでもない、
苦しんでいるわけでもない、


アデルノは、それを「さみしさ」だと、
名付けることにした。


ただ、それは温もりを求める「さみしさ」とは、また違った。
どちらかというと、埋まらない穴を埋めていくような、
そんな感覚だ。


思考も働いている、活力も充ちている。
しかし、「穴」は埋まらない。


僕は一日8時間は寝ないとダメだったんだ、
昔は。
今は毎晩4時間くらい。疲れているのに、「穴」をどうにか埋めようとしてしまう。


こんな体調じゃ、きっと明日も走れるまい。










いや、走らないから、「穴」が出てくるのか。


妻子がいても、
こんな気持ちになる夜がおとずれるんだろうか、
そう考えると、ゾッとした。

アデルノにとって、家庭を持つ事は、
最後の、「何か」から逃れる手段だと思っていたから。





朝は、来て、起きなくちゃいけなくなる。

どうせ、明日も、そうなるに決まってる。

線の上を、そう、線の上を、

ずっと、はみださないように、

ずっと前から、

起きて、社会の一部として動いて、離れて、また寝て。





アデルノは、深夜であったにも関わらず、
ピアノを弾き始めた。

最初は、一音ずつ、ゆっくりと、響かせながら。

徐々にゆったりとしたリズムで、

一定の音の羅列を。


まるで、「穴」を埋めるかのように。









2013年10月22日火曜日

走る、アデルノ。③

時連なりし、そして一念に回帰せし。

僕の1日は不快で始まるのさ。

朝が来て、起きることは、1日で最も苦痛かもしれないね。

次に苦痛なのは、1日中靴下を履いていなければならないことだな。

そうだ、それに違いない。


Pガチャ。P

ドアを明けた瞬間に外の風が一気に部屋の中に流れ込んだ。

そして、眩しい朝日。
切なさと、哀しさと、少しの希望が立ちこめていたんだ。


マリアも、こんな僕みたいな感受性を持ち合わせてたりするんだろうか。
白い息に嬉しくなってみたり、冷えきった指先を首で温める喜びだったりを。


アデルノはいつもよりどんどん加速していった。
しかし、途中で転びかけて、焦ってはいけないと急激に平常心を保とうとする。

その日、アデルノは突き動かしていたものは、
眩しい朝日だったのか、
詰まる所の自己肯定感だったか、
絶対的な孤独だったか、
将又、マリアであったか。

走っていると、色んな事が頭を駆け巡る。無意識に。
それはおそらく単調なリズムと単調な作業から来る、脳の初期プログラムなんだろう。

/僕はこうして毎朝走っているけど、僕は走る事が好きなんだなぁ。/いや、走る事を続けてきたから、勝手に頭では好きだと勘違いしてしまっているのかもしれない。/好きだから続けられたのではなく、続けたから好きになったのではと。/この2種類の対立は、帰納法と演鐸法というものか。/そうか、宗教が演鐸法で、科学は帰納法なんだなぁ/もしかしたらこれは世紀の大発見かもしれないなぁ。/


遠くから、一人の女性が近づいて来た。
カトリーヌだった。
隣にマリアの姿はなかった。


アデルノはカトリーヌに関しては特に何の感情も抱いていなかったと思う。
だから、自然と目が合ったし、自然と会話になった。
「おはようございます」
「あぁ、どうも」
「毎朝、
「え?」
走られてるんですか?」
「あ、あぁ、そうですね」

アデルノはその場でジョギングを続けた。
それは、長くは喋りませんということを示していたかもしれなかった。
そんなことを平気にしてしまうくらい、アデルノはカトリーヌがどうでも良かった。

無関心以上に冷酷な態度はこの世にあるんだろうか。

「今日はとても寒いですね」
「うん、風が強いね」

次の瞬間にアデルノは「いつも隣にいる彼女は今日は?」と言いそうになった。
アデルノは「じゃ」と言ってまた走り出した。

僕がカトリーヌの立場で、
話も早々に「いつも隣にいる彼女は?」と言われたら、
それは「お前なんかどうでもいい」と言われるのと同じことじゃないか。
女心とかそんなものではなく、
存在を否定してしまうところだった。

僕は全く、なんて迂闊なやつなんだ。

アデルノはしばしば自分を責めることがあったが、
そこに答はなかったし、とても生産的とは思えなかった。
自分が悪いんだという問い詰めの先にゴールはなく、
ただ罪悪感に苛まれるだけだったのだ。

その罪悪感こそが、彼が自身を救う唯一の方法だったのかもしれない。
僕は悪者だ。と。その先に踏み込んでくるものはいないから。
自分を底辺まで落とすことで、これ以上に堕ちる事はないという安心感を。


ッタッタッタッ

どこまで走り続けていっても、この罪悪感は拭われないのだろうなぁ。
根本的なもんなのだなぁ。

急激にスピードを上げて、アデルノは町をかけていった。
止まらずに、速く、速く。


公園の近くで、アデルノは柵に手をついた。

ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ、う、ハァハァハァ

心臓がバクバクしてしまった。

ズクンズクン、ズクン

ハァハァハァハァハァハァハァハァ、く、ハァハァハァ

苦しい。

ズクン、ズクン

ハァハァハァ、ハァハァ、ハァハァハァ

あぁ、そうか、

ハァハァ、ハァ

これもか、はは。

ハァ、ハァ、ハァ

2013年9月23日月曜日

走る、アデルノ。②


斎つの乙女、其れは近寄り難く、至らず吾しを。


たまに、僕は飼いならされたペットのように、どこの行き場もなく感じてしまうんだ。
昔は、まだ、違ったんだ。



アデルノは、自分が生まれ育った町から離れれば、そこには別の世界があると思っていた。町に多少の不満があっても、最終的には他がある、と落ち着くことができたのだ。

しかし、別の世界はなかった。

走っても、走っても、そこに広がっていたのは景色が違うだけの、同じ世界だった。


いや、それはもしかしたら間違っていたかもしれない。
いつもの彼の「過剰一般化」からくるものだったのかもしれない。


あの町を離れて、この町に来ても、僕が描いていた「世界」はなかった。
きっと、どこに行っても同じなんだろう。
僕は、どこに行ったって。

僕はこの「世界」のペットなんだもの。


アデルノは、田舎町に4人兄弟の次男として生まれた。
父親は町の郵便局に勤める勤勉家だった。
母を小学校の時に亡くしていたが、親や親戚などから十分すぎるほどの愛情を受けて育った。決して甘やかされたわけではなかったが、彼が「世界」を知るのには遅すぎた。


僕は、「この世」っていう場所が、素晴らしい場所で、理想郷の追求を許された場所だと思ってたんだ。「競争」よりも「協力」が優れ、弱者の生命にこそ美を許された世界だと思っていた。

けれど、実際は違うんだ。ただ夢も希望もない世界に、僕たちが装飾を施していただけなんだ。食い散らかされたトカゲはそのままで、いずれ土に還っていくだけだった。


「死ぬことは辛い、しかし、生きることはそれ以上に苦しい。」
偶然にも、アデルノは同年代にゴッホの発言と同じことを日記に記していた。

アデルノがゴッホのように歴史から認められることはなかった。
それは、彼にはゴッホのように心を許し合えた友人がいなかったからだろう。



「ただ、マリア。
彼女の存在で、その苦しさは幾らか紛れたのだ


アデルノはまた、早朝に家を出て、走り出した。
マリアがカトリーヌと早朝にランニングをするのは、月曜の朝だけだった。
いや、他の日にも走っていたのかもしれない。けれど、僕が彼女を見かけたのは少なくとも月曜だけだ。


いつもと同じ時間に、いつもと同じペースで、町をかけていくアデルノ。
天気は悪く、雨がいつ降り出してもおかしくなかった。

『今日こそは、マリアと話さねば!』

アデルノは、マリアと会話をしたことがなかった。
一方的に思いを抱いているだけで、会話すらしたことがなかった。

『確かに僕らは話したことはない、けれど、彼女は僕に大きく手を振ってくれたのだ!』

それは春の日、仕事の帰り道、にぎやかな大通りで彼女はカトリーヌと馬車に乗っていたんだ。僕の右横を馬車が通り過ぎて、女性がこちらに向かって笑顔で手を振っていると思ったら、それはマリアだったんだ。

『彼女は僕に微笑みながら、手を振ってくれたんだ!』

『一度も話したこともない、僕に!』

その日から、アデルノの「世界」は少し様相を変えたようだ。


そして、毎週月曜の朝すれ違うランニングの時に、話しかけようと。
『今日こそは、今日こそは!』と。


そして今日も。

マリアとカトリーヌは遠くから、いつものようにこちらに向かって走ってきたのだ。

『今日こそは、今日こそは!』


マリアはすれ違い様にいつも通り会釈した。


僕は、その瞬間に自分の汗の匂いに気づいてしまって、話しかけることをやめてしまったんだ。神聖な彼女を汚してしまうような気がして。



『愚か者、愚か者!ろくでなしめっ!』


汗なんかどうだっていいじゃないか。何をしてるんだ僕は。



2013年9月18日水曜日

走る、アデルノ。①


止まらぬ足、生は続きし。


冬の早朝に町を駆け抜ける男はアデルノであった。
筋は堅く、吐息は白く、血流は神経を圧していった。

走れば走るほど、走ることの苦痛や自分がいかに走ることに向いていないかが分かるだけだった。


東からの日の出に目を細め、
たかが日の出ごときに感銘を受け、立ち止まっている自分がいた。

朝焼けの中、歩道の向かいから若い女性二人が走ってきた。
それはマリアとクリスティーヌに他ならなかった。

アデルノはまた走り始めた。
彼女達とすれ違いざまに軽く会釈し、黙々と走り続けた。
僕は、決して愛想をふりまきはしない。それが僕のマリアに対する誠意だったんだ。


家に着き、シャワーを浴びて、職場に向かった。
アデルノは大手保険会社で販促の仕事をしていた。

僕の仕事は、本当にくだらないもので、正直僕がいてもいなくても会社は回ると思う。僕が社長なら間違いなく自分の部署から潰していくだろう。
神経質なアデルノにとって、デスクで過ごす毎日の10時間近くは苦痛でしかなかった。けれども、世間的には羨む職場であったし、賃金は決して悪くなかった。


「シチューと、クロワッサン。2フランと60サンチームね」

昼休みは職場に隣接されている食堂で昼食を取る。
その日の朝刊を読みながら、食堂で人間観察をするのだ。

あぁ彼はここの常連だ。たしか、経理の人間だな。
食堂のおばさんはいつも彼に贔屓する。いつもスープをサービスされているんだ。

アデルノも食堂の常連であった。しかし、食堂のおばさんから好かれることはなかった。

大きな声がすると思えば、営業のヤツらだ。
食堂でも幅を利かせている。

年寄りばかりで、皆覇気がない。
そう、ここはつまり、何も無い、ただの地獄なんだ。

2013年9月6日金曜日

映画「風立ちぬ」について



みなさんは、映画「風立ちぬ」を見られたでしょうか?
私は、つい先日一人で見に行きました。

理由は単純で、周囲の方々が賞賛されていたからです。


映画に1,800円?も払いたくないので、近くのイオンの最上階シネマのレイトショーで見ることにしました。

1,200円でした。


平日の夜、バスケをした後のレイトショーは格別でした。

僕はお腹が空いていたのと、周りに誰もいなかったので、
イオンでマグロ丼を買って、むしゃむしゃと食べながら見ました。

それで、肝心の中身なんですけど、とても良かったです。
ただ、自分が感動したのは、戦争と飛行機とかそういうテーマに関してではなく、
もっと別のところでした。


ネタバレを覚悟で、語らせてもらいますが、
僕が印象に残ったシーンが一つあります。

ヒロインと主人公が初めて出会って、
主人公がヒロインを助けて、去り際にヒロインが主人公に
「名前だけでも!」と言って名前を尋ねても
主人公は笑顔で手を振って去ってしまうというシーンです。

僕が主人公だったら、名前を名乗るだけでなく、
Facebookのアカウントまで教えてるでしょう。
それくらい、観てる時は「なんでだよ」って思いました。


ただ、後になってその「運命性」というか、
「儚さ」みたいなものにすごく美しさを感じたのです。


僕は、変に乙女みたいなところがあって、
そういう運命みたいなものを信じています。

それは結ばれる結ばれないとかそういうことではなく、
人と人が出会って、別れて、
人生って結局そんなもんだと思うわけですよ。


そういう意味だったりとかで、すごい普遍的な映画だなと感じたりしていて、
だから個人的にはこの作品で宮崎監督が引退しても、それはそれで良いなとか思ったりしていて。

いや、僕は全然ジブリには思い入れはないんですけどね。

ラピュタとか耳をすませばとか見る度にストーリー忘れますしね。


もう飽きたんで、今日はこの辺にしときます。

2013年9月3日火曜日

A氏の平凡な日常⑭


そうだ。





ゲームだ。


「~連絡遅くなってごめん、土曜の13時とかどう?~」


ゲームだ。


「~久しぶり、元気?~」


そう、


「Aさんは素直すぎるのよ」

結局、ゲームだ。


「いいよ」


ゲームだ。


「電気消して」


ゲーム。


「なんで、最近連絡してくれないの?」
「なんか、体調崩してた」


「そうなの?笑」


「バカにしてるでしょー?」
「うん」


「なんでー?」
「俺が聞きてーわ笑」
「そういうの興味ないのかと思ったー」


ゲームじゃねぇか。


「手つなごっか」


これも。


「私、彼氏できる気がしないわー」


あれも。


「あ、終電しらべなきゃ」

全部。

「Aさんて彼女いないの?」

全部。


「ダメ。それ以上したら、止まらなくなっちゃう」

いっそ、

生けること、

「うん、できれば新宿がいいな!」


それこそすべて。

「はじめまして」

ゲームだ。





パチン!
「はい、カットォ」
「おつかれさまでーす、北川さん、ファイナルでーす」

「はい、おつかれさま笑」
「あぁどうも」

「皆さん記念撮影するんで集まってくださーい」
「これ、全員入んのか?笑」

「雲行き怪しくなってきたんでパッパと済ませますよー」
「北川ぁ、せっかくラストなんだから笑えよ!笑」


「はい、チーズ!」


「北川くん、お疲れ」
「監督、本当にありがとうございました」
「風邪引かないように、すぐシャワー浴びて来なさい」
「はい」



僕は何故「あれ」で監督からOKが出たのかが分からない。
達成感というより、疑問がまず残った。



「これ、本当は監督として失格なのかもしれないんだけど、最後のA氏のシーンに自分の中で答えがなかったの」「君を試したというか、君の演技を見てたら君が創りだしたものを純粋に見てみたくなったの」
「はぁ」
「おそらく、この作品は賛否両論だと思うし、大した興行収入は見込めないよ」「だけど、君は引き受けてくれた」「本当にありがとう」
「いえ、とんでもないです」「こんな大役に抜擢していただいて光栄でした」
「よくA氏を演じきってくれた」
「ご指導ありがとうございました」


「失礼します!」「監督、シーンのセッティング整いました!」
「おう、そうか」
「どうぞ」
「また、後でな」「今日の打ち上げ来るよね?」
「ごめんなさい」
「ちぇ、やっぱ北川くんはそうでなくちゃな、はは」
「じゃ、また」
「ありがとうございます」

バタン/


「ふーーー」

あ、煙草が切れてるや。





パンポン♪






『未読メールが一件あります。』












from:宮本亜衣
『今日、打ち上げ行く?(ビール)』



「だから、」
「行かないっての」



終。

2013年8月5日月曜日

夏だから

僕は元気です。

【飛行機の話】
http://matome.naver.jp/odai/2137408952535555301

飛行機ってのは飛ぶメカニズムが100%は解明されていないそうです。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1229346807

つまるところ、理論より実践が勝ると言えます。

僕は、うんうん、と考え込んでしまう。
いや、実際にはそんなに頭を使わずに悩んでいるだけということが多いのです。

しかし、悩むということ自体に何の意味はなく、
答えが出るわけでもなく、行動が先延ばしにされてゆくだけなのです。

まぁ、考えるよりも行動してみた方が早いですねっていう、ありがちな教訓でした。


【夏と楽器】
夏になると楽器を弾きたくなります。
気合い入れ直して、DTMの設定をイジりましたが、5秒で挫折しました。
iMacとSaffireとかいうオーディオインターフェースとエレキギターの3つを接続して、
iMacでエレキのエフェクトをかけようとするんですが、全然音を認知してくれない。
この設定だけで日が暮れそうです。

そんな感じでこれからピョコピョコ演奏もUPするかもしれません。


【あまのじゃく】
今日は、友人と初めてのメシ屋に行きました。
洋食店で、僕はチキン南蛮に大ライスをセットで頼みました。
中ライスは210円で、大ライスは260円だったので、大ライスにしました。

すると、注文する時に店員に
「大ライスだと、かなり量多いですけど、大丈夫ですか?」
と確認されました。

その時に中ライスにしておけば良かったものを、
逆に「食ってやるよ」みたいな感じになって、
「大で」
と調子に乗ってしまいました。


そして、やってきたライスは、笑えるほどの量でした。



後で聞いたらご飯3合と言われました。

他のお客さん達も僕の大ライスに爆笑していました。
そんな中、僕はこのエベレストと必死に闘い、制しました。
お客さん達からは拍手を浴びました。

久々に歩けないほどでした。

そんな僕のTシャツには
Don't afraid of failure, but learn from it.

と、書いてありました。

ちゃんちゃん♪(終)


2013年7月26日金曜日

塩とんかつ

ピアノの旋律を聴くだけで、
安らかになりますね。


土日が来ると、
くだらないことをたくさん考えられるので、
ワクワクします。


どこかに行けるとか、
誰かと会えるとか、
そんなことではなくて。
ただひたすらにボーッとできるからなんです。

今日は、安くておいしいトンカツ屋を見つけました。
最初は気に入らなかった大阪も、少しずつ好きな場所が増えてきました。
それはメガネの曇りが取れてきたからなんじゃないかって、
自分ではそう思ってます。



歯を磨いて寝ます。
ファンタ飲んじゃったからね。

おやすみ☆

2013年7月23日火曜日

Tattva

バスケで足を捻挫し、会社を休みました。

会社や学校を休んで部屋にこもって一日が終わってしまった日は、
自分がこの世に一人だけのような、そんな感覚になります。

僕だけでしょうか。


【What I really want】
昨日、今日とぼやっと本を読みながら、
自分が本当にしたいことについて考えていました。

時折、我々は
他人の承認欲求と自分がやりたいことを混同しがちです。

いや、承認欲求とやりたいことって本質的に同じかもしれませんね。
ただ、人に認められたくて何かをしても限界がありそうです。

極論、この地球上に自分しかいなくてもやりたいことが、
本当にやりたいことなのかもしれませんね。



2013年7月1日月曜日

青春

創作したものもあり、

考えていることもある。

けれども、それを、
前に出していこうという気は大して起きない。

一体、僕の中で何が変わったのかは分からない。


きっと、見えない敵達と闘って、疲れてしまったんだろうと思います。





青春。

情景、景色、言葉、匂い、温度。

青春は、一旦始まると、
終わり方を知らないまま、
全力で走り続けていきます。


昔の青春を懐古し始めたら、
終わりだと思って、
今こそを青春として。

日曜の深夜に。

2013年6月12日水曜日

さゆう

左と右のバランスを、

それが、大切。
右でありながら左でいたい。
いや、左はなくていい。

だけど、左がないと生きれない。
最低限の左でいい。

右を支える左でありたい。



妊娠。



それも悪くない。



2013年5月20日月曜日

喜び

とても嬉しいことがありました。

他の人にとっては、とても些細なことかもしれませんが。

僕の、このblogの記事が、とあるサイトの、とあるページに引用されたのです。

Naverまとめというサイトの、サカナクションの記事です。
http://matome.naver.jp/odai/2136524167642865301

ちなみに元はこれです。一年半前の記事です。
http://tsuneyoshi-in-osaka.blogspot.jp/2011/11/blog-post_10.html


ただの一行で、
なんてことない文章だったんですが、
自分の記事が、人に目に留まって、それを引用してもらえるというのは、
僕にとって、すごく感動的だったんです。



僕は気分で自分の書きたい事をツラツラと書いているだけなのですが、
それが、人の役に立つというのはやっぱり嬉しいものなんです。


こういうことがあるだけでも、
このblogを続けていて良かったなとは思います。



これを機に、もっとみんなに読まれるようなものを書いてやろうとか、
そういう気はあまりありませんが、
自分の中に情報を溜め込まずに放出してみようかなとは思いました。



引用してくださった方、本当にありがとう。

2013年5月17日金曜日

2013年5月10日金曜日

約束しよう。



歴史は繰り返す。


僕も君も巡り巡る。

時代の中で、
巡り巡る。

だから、今日はおやすみ。

2013年5月8日水曜日

A氏の平凡な日常⑬

Aが泣いたの。

あの人、子供みたいに大泣きしたのよ。





その時何を話したのかはもう覚えてないわ。
彼はとにかく大泣きして、捨てるようにお札を置いて、店を出て行ってしまったの。

テーブルには、赤ワインと冷え切ったピザが残ってて、
店員にも変に気を遣わせちゃって、とにかく最悪だったわ。


正直言って、彼があんなに感情的な人だなんて知らなかった。
怒ることもなければ、大喜びすることもなかったもの。
いつもポーカーフェイスで、私からしたら少し物足りないぐらいだった。
それとも、私が気づいてなかっただけかな?


本当のことを言えば、僕は白ワインが良かったんだ。


あぁ今思い出してきた。
たしか彼は、私が嘘をついたとか言っていた気がする。


僕が悪魔になったら、
いや、ならなくて良かったんだ。


たしかに私は嘘をついたけれど、
それは取るに足らない嘘であったし、
彼は私の嘘に敏感すぎたと思う。理想を持っていたからだと思う。


女性は皆、悪魔だから。
でもそれは、男のせいだから。
悪魔にならないと、
女性はやっていけないんだって。
僕は、勝手にそう解釈してた。


でも、正直驚いたわ。彼が私の些細な嘘を見抜くなんて。
まぁもちろん、既に嘘をついてるんだから、嘘で返してしまったけれどね。


僕は、K子の嘘を明かすことはしたくなかった。
あれは明らかに過ちと言えた。




僕はK子の嘘が許せなかった。
それはたしかに些細なことだったが、その嘘に優しさを感じる事はできなかったんだ。

そのことは闇に葬り去ってしまうべきだった。
墓場まで持っていくべきだった。
僕はK子が知る以上にK子を知ってしまっていた。



私が悪いはずなんてなかった。
仮に彼が私に傷ついたとしても、
それは仕方のないことで、
女性が傷つかないための必要悪みたいなものだったのよ。


「なんで黙るわけ?」「あんたいつも自分の中で考え込んで、私には何も言わないで」
「僕は君を傷つけたくないから口に出さないだけだ」
「何よ、傷つけたくないとか」「べつにあんたに何言われたって傷つかないわよ」
「なんで、君のことを思ってるのに、そんな風に言われなきゃいけないの?」
「私のこと?あんたいっつも自分のことばっかりじゃない」「結局自分が大事で、自分の中で勝手に完結してるだけでしょ」「自分に酔ってるだけじゃない、気持ち悪い」


その言葉を聴いた瞬間に僕は涙をこぼしてた。
なんで、こんな風に言われなきゃいけないんだって。
この人とは分かり合えないんだって。
頭が真っ白になっていた。


涙を流すのは、脳が不確実性に対処しきれなくなった時なんだ。
僕の脳は、まだまだ未熟だったのかもしれない。


僕はとにかく涙を手で拭ったんだ。
そしたら、コンタクトが外れて、周りが何にも見えなくなってしまったんだ。
それでも涙は止まらなくて。
とにかく、少しでもK子から離れて落ち着く必要があったんだ。
スペイン坂を急いで下っていった。周りが何も見なくて、渋谷の街が違う景色に見えた。


彼を追いかけていくっていうストーリーは私の中にはなかったわ。
だって、もうすでに彼に対しては冷めきっていたんだもの。



わすれないぞ、ぼくは
わすれないぞ、わすれないぞ
ぼくは、わすれないぞっ



渋谷の街に、雨が降り出した。
その雨は、街の汚れきったものを流していた。
僕はその中をてくてくと、
てくてくと歩いていったんだ。

てくてくと。

A氏の平凡な日常⑫

「私、瑛太あんまり好きじゃない」

A氏は気づくと、K子の言葉を回想していた。
電車の中吊り広告には瑛太が写っていた。

「なんで?」

「なんか、狙ってるかんじがするの」

「狙ってる?」

「それで分かんなきゃ分かんないよ笑」


A氏は、最近聴いていなかったアーティストの曲をかけてみた。
それはスピッツであったりした。

それはいつもより心に響いたと思った。




電車を降りて、改札口を通っても、頭の中からK子は消えなかった。

僕は、K子と出会う前は何を考えて歩いていたんだろうか。

その答えにはいつまでも辿り着かなかった。
それはすなわち、未だ彼が盲目的であったということだ。
30代半ばで盲目的な男など、醜いだけだった。
少なくとも彼自身はそう思っていた。



祝日の街は賑わっていた。
A氏は人々から逃げるようにして、本屋に駆け込んだ。

途中、A氏は女性誌の前で足を止めた。
好きなタレントが表紙を飾っていたからだ。

その雑誌を手に取り、ページをめくった。
それはどうやら働く女性向けの雑誌だった。
女性向けの製品広告が雑誌を彩っていた。

雑誌の後半には、コラムのようなものがあり、
恋愛相談のようなコーナーになっていた。
A氏は中学生の時に姉のファッション雑誌のコラムをこっそり読んでいたことを思い出した。


雑誌に飽きて、本屋をゆっくり歩き回った。
途中、最近読んでいなかった漫画の新刊を一冊買ってみた。
そして、早々に本屋を出た。

空腹でもなかったが、
お馴染みの定食屋に足を運んだ。
お馴染みと言いつつもA氏は無愛想なので、店員には認知されていないようだった。

昼すぎだったので、客は少なく、
いつもの生姜焼き定食を注文し、
鞄から、購読している金融雑誌を出して読み始めた。
さっき購入した漫画より、その雑誌を読みたくなったのだ。

「お待たせしました、生姜焼き定食です」

初めて見る娘だった。
色白に黒髪で、澄んでいた。

「あぁどうも」


電車の中で、ようやく購入した漫画を開いた。
久々だったので前後関係を思い出すまで時間がかかった。

その日、A氏は友人の結婚式の2次会に出る予定だった。
特に用もなかったので、2次会の最寄り駅に向かうことにしたのだ。
2次会の最寄り駅までは急行に乗ってしまえば早かった。
けれど僕は各駅に乗っていた。

その路線にはK子の実家があった。

僕は、もしかしたらK子に会えるかもしれないとか、
そんな気持ち悪い希望を抱いていたんだと思う。
仮に会ったとしても、何があるわけでもなく、
もし仮に何かあったとしても、それは嫌なことだろうと思った。
けれど、気づけば僕はわざわざ各駅に乗っていたんだ。

そのまま、僕はK子の駅を過ぎた。
そして、そのまま2次会の駅まで乗っていく、
はずだった。

しかし、僕は気づいたら、降りて、
折り返していたんだ。
何度も、何度も。

男は終わった恋愛を引きづりやすいと言う。
A氏の場合は、そのことを意識しながらも、無意識にそうなっていたのだ。
それはストーキングという感覚とは違った。
目標物を追うわけではなく、あくまで目標物の事をぼーっと考えていたかったのだ。



それは単なる言い訳に過ぎなかった。
客観的に見て、A氏は病と言っても過言ではなかった。

僕は、何をしているんだろう。

彼は病だった。

いや、僕はただ電車で漫画が読みたいだけなんだ。

彼には漫画はどうでもよかった。

僕は、K子にいつまでも思いを馳せるようなCreepなんかじゃない。

彼はCreepだった。

僕は、全然変なことをしていない。

彼は病だった。

僕は病なんかではない。

彼は病だった。

僕が恋の病なんて。

彼は、恋の病だった。

僕は正常だ。少しK子のことが気になるだけだ。

彼は異常だった。

僕は、異常なんかじゃない。

彼は異常だった。

僕は異常ではない。

彼は異常だった。

僕は、、、


異常かもしれない。

2013年4月21日日曜日

模倣⑨



良い歌。

A氏の平凡な日常⑪

A氏は、お盆休みで丁度帰省していた中学の同級生と会っていた。

田中(男)と西野(女)。




「ごめん、ちょっとトイレ」
「また〜?」


「失礼しまーす!ほっけの塩焼きと、だし玉子でーす」
「はい、どーもー」


「で、なんだっけ?」
「いやぁだから、なんであんたが結婚できないのかって話じゃない」
「あぁそうだそうだ」
「私だってさ、正直30近づいてきてさ、焦ったわよ?で、そんな時出会ったのが今の彼なのよ」「正直最初は彼に対して全然ときめかなかったわよ?だってその前の恋愛がもう常にキュンキュンして・・・」

A氏はだし玉子に大根おろしをのせながら、頷き、聴いているふりをしていた。

「でもね、今の彼がね、私にこう言ったのよ。「おじいちゃんとおばあちゃんになっても/」

西野は、何歳になっても乙女だった。

「それ聞いた時に私、確信したの」「あ、この人でいいんだ、って/」

A氏はすでに内容についていけてなかったが、西野は止まらなかった。

「だから、そういうもんなのよ、結婚て」「そりゃあね、実際/」



鮮やかに恋してにんじゃりばんばん♪なんだかにんじゃりばんばん♪




(あ。)



恋してにんじゃりばんばん♪愛してにんじゃりばんばん♪


「でもね、それじゃだめなのよやっぱり」「私もね、そういうところ無駄に臆病だったりしたけど/」


にんにんにん♪君だけだから♪


その曲は、K子が口ずさんでいた曲だった。
A氏は原曲を初めて聴いた。

「子供のこととかも、やっぱり/」


手を伸ばしても さわれない光のようだから♪


A氏はいつまでも聴いていたい気持ちだった。
それは、西野の話ではなく、にんじゃりばんばんの方だった。


飛んでけにんじゃりばんばん♪


「私って、何歳になっても子供なのよね〜結局、結婚して/」

西野の話は、雑音と化し、
僕は曲の世界に浸っていた。
上機嫌に口ずさむK子も回想された。

あれは、いつだっただろうか。
秋な気がする。

「本当、私って変わってないわよね〜昔からさ〜だってこの前もさぁ/」


リン♪リン♪リン♪鳴らないメロディー♪


K子と終わって、
オキトシンやドーパミンが不足していた状態だったのかもしれない。
そこに、その楽曲はなんともいえない安心感を与えてくれたんだと、僕は思っている。

「いやー、ほんと、私みんなに迷惑かけてたわ」「悪いとは思ってるんだけどね」

曲が終わって、
西野のコトバだけが残った。


「あざやかに、とんでけにんじゃりばんばん♪ねんねけにんじゃりばんばん♪ふんふんふん。。。」


「ん?なに歌ってんのよ?」
「あぁ、ごめん」

2013年4月13日土曜日

とある精神科にて。


「これ、全部自分でやったの?」
「・・・はい、実感が、欲しくて」
「・・・実感?」
「温かい血が出てきて、あぁ僕生きてるんだ、って」

「Aさん、今度からリーゼっていう新しいのも処方しておきますね」
「先生、そうやって僕を薬漬けにして、金を巻き上げようとしてるんですよね」


「違うよ。最近はそういう医者もいるみたいだけどね」「試してみて嫌だったら言ってくれればいいから」

「変なこと言ってすいません」
「いいんだよ。たしかに薬多いよね、減らす?」


「ほんと、すいません」



「最近、すべての関係に利害が絡んでる気がしちゃうんです」
「利害?」
「みんな、自分の利益を最大化しようとしてるんです。僕も先生も。」
「パレート最適じゃないと?」
「パレート最適かもしれないし、そうでないかもしれない」「人間はそこまで完全なものじゃなくて、無意味な感情とかそういったものにある種されていて、不完全な存在だと思ってたんです」
「不完全ではなかった?」
「いや、不完全でした」「でも、その不完全な中でもいくつかの原理に従って完全を目指そうとしていました」
「原理?」
「たとえば利害関係です」
「うん」
「僕らは完全なハードではないけれど、はっきりとしたシステムがあるんです」「僕が温もりを求めてしまうのはそこにあるんだと思います」



「そんなに難しく考えなくていいんだよ」「僕らは、生命体の1つで、ぜんぜん合理的なんかじゃないんだ」「感情の赴くままにすればいいんだ」
「感情に赴いたら、こういう傷が増えていくんです」「僕だって、親父が悲しむのは分かってるんです」
「自分の感情に従うことは大切だ。けれど、自分に傷をつけることは別だよ」
「先生の言っていることが矛盾しすぎていて、全く理解できません」


「そう、僕も不完全なんだ」「そうだ、水泳の方はまだ続けてる?」
「市民プールの管理の人が、いつも僕を睨んでくるんです」
「違うよ、気のせいだよ」「水泳した日はどうだろ?気分とか
「次の日起きるのが辛くなるくらいです」「寝つきは変わりません」
「そうか、朝辛いか笑」
「僕、頭に人の何倍ものドーパミンとか、脳内麻薬が流れるんです」「それで寝れなくなるし、全てに過敏なんです」
「なんで分かるの?笑」
「たまに頭にピシーって電流が流れるのが分かるんです
「みんな、ピシーってなってるかもしれないよ?笑」



「じゃあ、次の予約も入ってるから、そろそろお開きにしようか」
「はい」
「今日、僕と話して少しは気持ちが楽になったりはしたかな?」
「いいえ、とくに」
「そうか。僕には何でも話しておくれよ」
「どうでしょう、気づいたらナッシュ均衡に落ち着いてるかもしれませんね、お互いに気を付けましょう」
「また待ってるよ」



「先生、Aさん随分長かったですね」
「彼とは、いつも長いよ」
「へー、そうなんですかー」
「そういえば、彼には今後ラモも処方しようと思ってる」「申請書類、用意しといてくれるかな」

2013年4月9日火曜日


華が さいていたよ
 はな が
咲いたよ
それは サク はずのない
誰も 見たことのない 華が
はなが さいていたよ



2013年4月8日月曜日

A氏の平凡な日常⑩

K子がイタリアに行っていたのは2週間だった。

旅行先の写真が添付されたメールが数日に一度届いたが、
見ていて気分の良いものではなかった。


A氏は連日の残業により、体が重くなっていくのを感じていた。


気分も明るくない。こんなときは運動が解決になることを僕は知ってる。



金曜の夜に、早めに寝て、
次の日、昔よく参加していた会社のテニスチームの練習に行くことにした。


A氏の会社は財閥系金融機関であり、その財閥系の会社数社合同のテニスチームだった。

中には全国大会に名を連ねたものもいたが、チーム自体はただの男女が群れる場でしかなかった。


A氏はその中でも、本気でテニスに向き合う珍しい存在だった。
最初のうちは男女交流を楽しんでいたが、もの足らなくなり、本気のテニスに没頭した。

さすがに全国レベルの人々には敵わなかったが、時折そんな彼らに度肝を抜かせるショットを打てた瞬間が好きだった。




朝御飯を食べ、自転車で練習上まで向かった。運動不足のせいか、少し早めに自転車をこいだだけで息があがってしまった。
A氏は良いウォーミングアップだ、とスピードをさらに早めた。



その日、練習場には明らかに人が少なかった。どうやら今日は練習が中止らしく、僕を含めそのメールを見ていない人々が間違って来てしまったのだ

しばらくすると、同期の前田が現れた。

こちらに気づいたが、とても罰が悪そうだった。
それは恐らく隣に新入社員の娘を連れていたからだ。

前田はこの練習を管理している責任者だった。たいしてうまくはないが、周りからはノリが良いとされるタイプだった。

練習を管理し、メーリスを回している前田本人が練習のない日に誤って来てしまうということはありえなかった。

僕はなんとなく嫌なことを考えていた。それは邪推かもしれなかった。


前田は今月に彼女が妊娠したことが発覚した。
そして、籍を入れることにしたらしい。前田は飲み会の席で、できちゃった結婚をしたことをぶっちゃけたが、それはフツーとは違っていた。

自分が相手の妊娠にも動じず、笑顔で「一緒に育てていこう」と言ったんだと、自ら語っていた。

前田はできちゃった結婚をできるだけ美化し、格好つけていた。


A氏にとってはそれに違和感を感じられずにはいられなかった。
彼は日頃から女遊びに夢中であったし、彼に自分を美化する習性があることも知っていたからだ。



A氏はそうやって、いつまでも他者の欠陥を受け入れることはなかった。
それが彼を苦しめていたかもしれないし、彼を安定させていたかもしれない。




A氏は間違えて来てしまった人たちとラリーを始め、嫌気をボールに叩きつけた。


前田は新入社員のFちゃんと親しい様子でラリーを続けていた。

前田はA氏を気に入ってはいなかった。
仕事においても外見にもおいても、前田はA氏に劣等感を感じていた。前田の努力はA氏の前では報われることは少なかった。


ベンチで休憩していると、前田とFちゃんが自販機で買ったポカリスエットとネクターを持って近寄ってきた。

「A、相変わらず飛ばしてるなぁ笑」
「もう疲れちゃったよ」
「Aさん、うまいですねー」
「Fさんもうまいじゃん」
「私は全然ですよー」

「Fちゃん、ポカリいる?ネクターじゃ甘いでしょ?」

A氏もネクターだった。

しかし、前田がA氏にポカリを勧めることはなかった。

前田はその事に気づいたが、あえて触れなかった。

「あ、Aさんもネクターだー笑」

Fちゃんが何かを続けようとしたが、

「そういえば、お前あの彼女とはうまくいってんのかよ?」

前田は不自然に遮った。

「うん。なんかイタリア行っちゃった」
「なんだよそれ、おいてけぼりかよ笑」
「いいなー、イタリアー」
「イタリア人と浮気してんじゃねーの笑」

できちゃった結婚から二週間後に新人の女の子と楽しくテニスしている男はなかなかユーモアがあった。

「イタリア人、かっこいいしね」

僕はあえて否定はしなかった。

「冗談だよ、そこは否定しとけよ笑」
「Aさんて面白い人なんですね」
「そうだよ。僕は面白い人だよ」

僕は調子に乗ってみた。

Fちゃんは笑っていた。
前田は笑っていなかった。


その後も、A氏はテニスを続けた。
無理な動きをしすぎたせいか、足を中心に筋肉痛が襲ってきた。


前田は頻繁にこうして女性を車でテニスまで送り迎えしていた。



前田という男は、一般的に「肉食」と呼ばれる男性だった。
A氏は「肉食」であることに対しては嫌悪を示さなかったが、
男女であからさまに態度を変えられるのは不快に感じていた。




それでも、A氏はこの世の原理を冷静に把握していた。


僕は分かってるんだ。
最後に生き残るのは前田みたいなやつなんだ。悲しいけど、そうなんだ。

A氏は家に戻り、靴を脱いだ。
夕日が眩しく差し込み、靴下には砂利が混じり、不快だった。

2013年4月4日木曜日

結婚て拷問だと思ってたんです。でも、違ったんです、食物連鎖でした。

題名は最近見終わった、ドラマ「最高の離婚」のセリフから引用。

尾野さんが好きすぎて、死ぬかと思った。


知り合いが、一人、また一人と、既婚者側に移動していきます。


それは、ピッチャーから放たれたボールみたいに、
ゆっくりコマ送りで近づいてきたと思ったら、
気づいたらバットを振ってる様な感覚なのかもしれません。


振り切った瞬間には死を迎えてて、
あ、空振りしてたんだ。。。みたいな。


僕は結婚というものにとても興味があります。
でもそれは恋愛の延長にあるものではなくて、
人生の第何章かに現れてくる「経験」として、興味があるのです。

若くして結婚を決断した男に、
「もっと遊べば良いのに」
とかいった言葉をかける男ども。
実に浅はかであります。
恋愛の延長としてしかとらえていないのでしょう。




いやぁしかし、久々に面白いドラマだった。














日常は嘘に溢れています。
ウェブ上でくらい、思いきり深呼吸がしたいのです。僕は。

2013年3月14日木曜日

異彩去

少年は風呂に入ろうとしたが、やめて、しばらくにイスに座った。



イスに座って彼は考えた。





イスに座らなければ良かったと、
彼は後悔した。



あの時、なぜ、一度手に取ったタオルを置いてまで、
わざとイスに座り直したのか。



あの時、なぜ、彼は誘いを断ったのか。


あの時、なぜ、涙が出てきたのか。


あの時、なぜ、素手でガラスを潰したのか。


あの時、なぜ、遅れる、と電話をできなかったのか。


あの時、なぜ、眠りに落ちたのか。


あの時、なぜ、靴下を履いていたのか。


あの時、なぜ、ためらったのか。


なぜ、あの絵を見てしまったのか。


なぜ、見ることをやめなかったのか。


なぜ、後ろから引っ張られたのか。

抵抗できなかったのか。

絵に、失望したのか。

不協和音をたてたのか。

海に落ちていったのか。

溺れるまで、くもを掴もうとしてたのか。



あの絵は、時がたち、彩度が薄れ、ホコリまみれになってたはずだった。
少年はその絵からホコリを懸命に落とそうとしてたのだと思う。
すると絵は蘇っていった。
秘密の暗号はもう解読できなくなっていても、
それは意図された暗号以上の意味合いを持つことになってしまっていたんだと思う。

その画を見てしまったがために、
少年の夜は長引いてしまった。


ただ、少年は絵から目を離そうとはしなかった。


途中で少年は気づいてしまった。

その画を描いたのは、自分であるということを。

そこから少年は、昼になるまで、眠ることができなかった。
昼になり、そこから死んだように寝つづけた。

少年が目を覚ますことは二度となかったが、
少年はやっと幸せになれた。

2013年3月5日火曜日

とある河辺にて



「風が冷たいね」
「うん」

「暗くなってきたね」
「うん」

「誰も信じられなくなってきたね」
「うん」


「春の高揚感だね」
「うん」

「なんでこんなに春に風が吹くだけでもの悲しいんだろうね」
「なんでだろうね」


「春なら夜道もなんだかワクワクして歩けるね」
「空もなんだか明るいね」



「朝もすごい眠いよね」
「うん、眠いね」


「ゴハンがすごくおいしく感じるよね」
「和食が特にね」



「僕らのこの会話は誰にも聞かれることはなく、消えていくんだね」
「消えていくね」


「こんな時に、ふと、すごい勢いで近づいてくるあいつらを感じてしまうよね」
「それは忘れなよ」
「・・・・、そうだね」


「寒くなってきたけど、苦ではないね」
「夜が近づいてきても、心は晴れて行くね、春は」
「ここはいったいどこなんだっけ」
「そんなことはどうでもいいよ」


「ドンキーコングを久々にやりたくなってきたな、そんな気分だ」
「ドンキーコングの世界の夕日は現実世界よりもリアルだったね」
「BGMのせいなんだろうね」
「もの悲しさだよね」
「誰もいない家で夕方にこっそりやっていたね」
「バナナなんかも、風船なんかも、オマケだよね」
「敵のクモもオマケだよね」




「ほら、まただ。ぼくの思考に彼らが邪魔してきた」
「いちいち言わなくていいよ」
「言わないと、彼らが絶望に変わっていくから、さ」
「希望に満ち溢れた絶望の方だけどね」

「微分できそうにないね」
「そういうものには、不吉なものを感じるよね」
「一度微分を損なったら、二度と元には戻れないよ」
「いいよ」「まるで死みたいだ」

「ふふふ」

2013年3月3日日曜日

いでんしさまさま



ぼくに感情をひきおこさせるきみは、
遺伝子が
しくんだもの。

感情もいでんしが
しくんだもの。


いでんしはいつだって完全ではなくて、
かんきょうが勝手に選んでいくんだ。


ぼくのかんじょうは
とおい歴史をいきのこった遺伝子のたまもの。



ただしいも間違いもない。

それが負であっても、生であっても、
ただ、ぼくをぼくたらしめている。



ほんとにそれただしいの



まちがっていたら、悲劇なのかな
Freezeみたいなことなのかな



ねればなおるよ
そういう風にしてるよ
かんがえすぎちゃだめだよ








なんできみはそこまでして永存したいの






でも、感謝していることもあるよ

ただ、ぜんぶ分かってても、
抗えないんだ


きみをいかすもころすもぼくのきぶんしだいさ


ころしたってへいきさ、替えはいくらでもいるもの
きみみたいな者なんか最初っから相手にはしていないんだから




そんなこと言うなよ

とにかく今日は休みなよ
朝が来るまで

2013年2月17日日曜日

A氏の平凡な日常⑨

K子はどの写真も同じ顔だった。

それは少し整い過ぎていて、不気味なくらいだったかもしれない。





A氏は祝日の昼下がりにインターネットでアニメの動画を探していた。
A氏はそこまでアニメを見る方ではないが、
人々が絶賛するものに対しては、目を通していた。

物を見てから判断したかった。


A氏は一度、K子にアニメの話をしたことがあったが、
気づかぬうちに別の話題に変わってしまっていた。
それはきっとK子がその話題に興味がなかったからだ。



動画はすぐ見つかった。
嫌悪感を示してしまうような画だったが、
我慢してしばらく見てみた。


画自体はチープな作品だったが、
テーマはとても普遍的で、考えさせられることが多かった。
むしろ他のことを考え過ぎて、本編の内容を聞き逃してしまうほどだった。


全12話で、4話まで見終わった。
こういうものは一気に片付けなければならない。
5話目をクリックするも、動画サイトから削除されていたようで、
見ることができなかった。

その後、5話を探し続けたが、
途中で断念してしまった。


ベッドに横たわり、
テレビを眺めた。

芸人の旅行番組だった。

K子も、海外旅行に行っていることを思い出した。
イタリアに親友と行くと言っていた。

彼女はヨーロッパやアメリカの都市部など、
キラキラしたところにしか興味がなかったように思う。


だから、旅行の話はあまり噛み合なかった。
旅行というのは、その人の価値観が反映されやすい。
その時は、何も考えないようにした。
この時から、A氏は「何か」に気づき始めていたのかもしれない。
ただ、それはA氏の未熟さでもあったと思われる。

ブー、ブー、ブー
その時、ケータイがメールを着信した。

会社の同期のFちゃんからである。

同期の女の子が寿退社をするので、みんなでメッセージを送りたいという旨だった。

僕はその女の子とほとんど面識がなかったが、
それらしいことを書いてFちゃんに返信した。


ベッドに横たわって、ぼーっとした。
5話、イタリア、同期の結婚


時刻は15:39。