自己紹介

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tokyo, Japan
パソコンとお香があればだいたい幸せです。

2013年3月30日土曜日

もっくさっく

いい響き。

気に入った。

2013年3月14日木曜日

異彩去

少年は風呂に入ろうとしたが、やめて、しばらくにイスに座った。



イスに座って彼は考えた。





イスに座らなければ良かったと、
彼は後悔した。



あの時、なぜ、一度手に取ったタオルを置いてまで、
わざとイスに座り直したのか。



あの時、なぜ、彼は誘いを断ったのか。


あの時、なぜ、涙が出てきたのか。


あの時、なぜ、素手でガラスを潰したのか。


あの時、なぜ、遅れる、と電話をできなかったのか。


あの時、なぜ、眠りに落ちたのか。


あの時、なぜ、靴下を履いていたのか。


あの時、なぜ、ためらったのか。


なぜ、あの絵を見てしまったのか。


なぜ、見ることをやめなかったのか。


なぜ、後ろから引っ張られたのか。

抵抗できなかったのか。

絵に、失望したのか。

不協和音をたてたのか。

海に落ちていったのか。

溺れるまで、くもを掴もうとしてたのか。



あの絵は、時がたち、彩度が薄れ、ホコリまみれになってたはずだった。
少年はその絵からホコリを懸命に落とそうとしてたのだと思う。
すると絵は蘇っていった。
秘密の暗号はもう解読できなくなっていても、
それは意図された暗号以上の意味合いを持つことになってしまっていたんだと思う。

その画を見てしまったがために、
少年の夜は長引いてしまった。


ただ、少年は絵から目を離そうとはしなかった。


途中で少年は気づいてしまった。

その画を描いたのは、自分であるということを。

そこから少年は、昼になるまで、眠ることができなかった。
昼になり、そこから死んだように寝つづけた。

少年が目を覚ますことは二度となかったが、
少年はやっと幸せになれた。

2013年3月5日火曜日

とある河辺にて



「風が冷たいね」
「うん」

「暗くなってきたね」
「うん」

「誰も信じられなくなってきたね」
「うん」


「春の高揚感だね」
「うん」

「なんでこんなに春に風が吹くだけでもの悲しいんだろうね」
「なんでだろうね」


「春なら夜道もなんだかワクワクして歩けるね」
「空もなんだか明るいね」



「朝もすごい眠いよね」
「うん、眠いね」


「ゴハンがすごくおいしく感じるよね」
「和食が特にね」



「僕らのこの会話は誰にも聞かれることはなく、消えていくんだね」
「消えていくね」


「こんな時に、ふと、すごい勢いで近づいてくるあいつらを感じてしまうよね」
「それは忘れなよ」
「・・・・、そうだね」


「寒くなってきたけど、苦ではないね」
「夜が近づいてきても、心は晴れて行くね、春は」
「ここはいったいどこなんだっけ」
「そんなことはどうでもいいよ」


「ドンキーコングを久々にやりたくなってきたな、そんな気分だ」
「ドンキーコングの世界の夕日は現実世界よりもリアルだったね」
「BGMのせいなんだろうね」
「もの悲しさだよね」
「誰もいない家で夕方にこっそりやっていたね」
「バナナなんかも、風船なんかも、オマケだよね」
「敵のクモもオマケだよね」




「ほら、まただ。ぼくの思考に彼らが邪魔してきた」
「いちいち言わなくていいよ」
「言わないと、彼らが絶望に変わっていくから、さ」
「希望に満ち溢れた絶望の方だけどね」

「微分できそうにないね」
「そういうものには、不吉なものを感じるよね」
「一度微分を損なったら、二度と元には戻れないよ」
「いいよ」「まるで死みたいだ」

「ふふふ」

2013年3月3日日曜日

いでんしさまさま



ぼくに感情をひきおこさせるきみは、
遺伝子が
しくんだもの。

感情もいでんしが
しくんだもの。


いでんしはいつだって完全ではなくて、
かんきょうが勝手に選んでいくんだ。


ぼくのかんじょうは
とおい歴史をいきのこった遺伝子のたまもの。



ただしいも間違いもない。

それが負であっても、生であっても、
ただ、ぼくをぼくたらしめている。



ほんとにそれただしいの



まちがっていたら、悲劇なのかな
Freezeみたいなことなのかな



ねればなおるよ
そういう風にしてるよ
かんがえすぎちゃだめだよ








なんできみはそこまでして永存したいの






でも、感謝していることもあるよ

ただ、ぜんぶ分かってても、
抗えないんだ


きみをいかすもころすもぼくのきぶんしだいさ


ころしたってへいきさ、替えはいくらでもいるもの
きみみたいな者なんか最初っから相手にはしていないんだから




そんなこと言うなよ

とにかく今日は休みなよ
朝が来るまで