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tokyo, Japan
パソコンとお香があればだいたい幸せです。

2013年2月17日日曜日

A氏の平凡な日常⑨

K子はどの写真も同じ顔だった。

それは少し整い過ぎていて、不気味なくらいだったかもしれない。





A氏は祝日の昼下がりにインターネットでアニメの動画を探していた。
A氏はそこまでアニメを見る方ではないが、
人々が絶賛するものに対しては、目を通していた。

物を見てから判断したかった。


A氏は一度、K子にアニメの話をしたことがあったが、
気づかぬうちに別の話題に変わってしまっていた。
それはきっとK子がその話題に興味がなかったからだ。



動画はすぐ見つかった。
嫌悪感を示してしまうような画だったが、
我慢してしばらく見てみた。


画自体はチープな作品だったが、
テーマはとても普遍的で、考えさせられることが多かった。
むしろ他のことを考え過ぎて、本編の内容を聞き逃してしまうほどだった。


全12話で、4話まで見終わった。
こういうものは一気に片付けなければならない。
5話目をクリックするも、動画サイトから削除されていたようで、
見ることができなかった。

その後、5話を探し続けたが、
途中で断念してしまった。


ベッドに横たわり、
テレビを眺めた。

芸人の旅行番組だった。

K子も、海外旅行に行っていることを思い出した。
イタリアに親友と行くと言っていた。

彼女はヨーロッパやアメリカの都市部など、
キラキラしたところにしか興味がなかったように思う。


だから、旅行の話はあまり噛み合なかった。
旅行というのは、その人の価値観が反映されやすい。
その時は、何も考えないようにした。
この時から、A氏は「何か」に気づき始めていたのかもしれない。
ただ、それはA氏の未熟さでもあったと思われる。

ブー、ブー、ブー
その時、ケータイがメールを着信した。

会社の同期のFちゃんからである。

同期の女の子が寿退社をするので、みんなでメッセージを送りたいという旨だった。

僕はその女の子とほとんど面識がなかったが、
それらしいことを書いてFちゃんに返信した。


ベッドに横たわって、ぼーっとした。
5話、イタリア、同期の結婚


時刻は15:39。





2013年2月6日水曜日

とある飲食店にて


テレーレレレーレーレーレレレーレレレレレーレレレー♪

「いらっしゃいませー」

レレレ、レレレ♪

「通りまーす!」

レレレー、レレレ♪

A「10番ドリンクまだー!?」
B「○○さん、それ先行って、僕ドリンク出たら出すから」
A「よろしく!」

レレレー、レレレ、レレレー、レレレレー♪

C「54番会計おねがいしまーす!」
D「ウェイティング、8名様でーす!」
E「いらっしゃいませー!」

バリンッ!♪!

F「失礼しましたー!」

レレ、レレ、レレーレレー♪

「ねぇ」

レレレ、レレレー♪

「ねぇってば」

レレレ・・・「ん?」

「それ、四半世紀でしょ」「いつも口ずさんでる、その歌」
「知ってるんだ」
「そこそこ好きよ」

G「すいませーん!」
「はい、ただいまー」


「今日来るの?」
「行かない」
「なんでよ」
「行きたくないから」
「タケルの歓迎会だよ?来なさいよ」
「いいよ、僕は」

H「お前のテーブルからドリンクもらったから打っといたよー」
「あ、ありがと」
I「通りまーす!」

レレレ、レレレ♪

C「今のでミールラストでーす!」


F「おつかれーっす」
A「おつかれー」


「なんであのババアとはゴハン行くのに、みんなの飲み会には来ないのよっ!」
「ん?」
「Aさんよ。こないだラーメン行ってたじゃない!」
「あ、あぁ」「ババアなんて言うなよ」

「とにかく今日は来なさいよ!」
「彼らは、」
「え?」
「彼らといると、孤独を感じるんだ」「一人でいる時よりも」
「みんなで騒いでたら孤独なんて感じないじゃん!楽しいって!」
「君も、分かるでしょ?」「孤独が嫌でみんな集まると、孤独ってより強く感じるんだよ」
「・・・」
「彼らはさ、べつに誰とでもいいんだよ」「自分の孤独を消したいだけなんだから」
「そんなこと、言わないでよ。。。」
「・・・、ごめん」「帰るね」


J「ねーねー、ひみかー、明後日シフト代わってくんなーい?」








2013年2月3日日曜日

とあるレストランにて

「これ、おいしいわね」
「もっと量増やしてほしいわ」
「あんたほんと大食いよね」「男みたい」
「男より食べるかもしれない笑」
「なんで太んないのよ、ほんとムカつくわ」
「いいじゃない、あんた胸あるんだから」

「取り皿、お取り替えいたします」

「でさぁ、その男金持ちのくせしてさ、全然お金使わないのよ?」「私と仕事してて、一度も御飯とかおごってくれたことないんだから」
「あんた以外の女に使ってんのよ、きっと笑」
「それが、その男独身で彼女もいないのよ」
「いくつくらいの人なの?」
「45くらい」
「ブサイクなの?」
「いや、むしろイケメンの部類よ」「オシャレだし」
「自分には投資するタイプなのね」
「でも家とかもフツーなのよ?」
「は!?あんた家まで言ったの?」
「いや、取材で家くらい行くわよ」「あんたみたいにアーティスト相手にしてるわけじゃないから」「一般人よ、一般人の金持ち」「年収億単位のくせしてフツーの1LDKよ?」「ありえなくない?」
「昔貧しかったタイプの人なんじゃない?」
「それでも有り余るほどお金あったら何か使いたくなるでしょー」「ほんと変わった人だわ」

「あんたこそ、仕事の方は最近どうなのよ?」
「うーん、楽しいわよ、基本的には」
「何がつまんないわけ?」
「やっぱり、書きたいこと書けるわけじゃないんだっていうのとか」「書きたくないことでも書かなきゃいけなかったりとか。。。」
「でもアンタの方が、恵まれてると思うわ」「あんたは少なくとも音楽に興味があるけど、私はテーマさえ選べないもの」「最近なんて金儲けのテーマばっかで頭おかしくなりそうよ」
「うーん、恵まれてるとは思うんだけどね」「それとか、アーティストとの距離感とかもあったりして。。。」
「距離感?」
「私って馬鹿だからさぁ、当たり前のことが分からなかったのよ」「仲良くなりたければ、仲良くなっちゃえみたいな思想だったのよ」
「なにそれ笑」
「いや、やっぱりそれぞれの関係に適度な距離感があるじゃない?」「踏み込みすぎると、こっちも傷ついたりして」
「たとえば?」
「ほら、たとえば好きなアーティストとかがいて、私はファンの延長みたいな気持ちで取材して、ズカズカ入り込んでいったのよ」「ビジネスライクっていう関係を知らなかったわけ」
「なに?恋愛に発展したわけ?」
「ちがうちがう笑」「なんて言ったらいいんだろう」「知りたくないことも知っちゃうし。適度な関係性、距離感てものがあるって気づいたのよ」
「ふーん」
「親密であることは、時としてリスクになりうる。っていうのかなぁ」「うまく説明できないわ」
「きっと考えすぎよ、あんた」
「そうなのかなぁ」
「なんか頼む?」
「んー、メニュー見せて」

模倣⑧



声裏返っちまってる。

駄作。

いつ録ったんだっけこれ。