自己紹介

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tokyo, Japan
パソコンとお香があればだいたい幸せです。

2013年5月20日月曜日

喜び

とても嬉しいことがありました。

他の人にとっては、とても些細なことかもしれませんが。

僕の、このblogの記事が、とあるサイトの、とあるページに引用されたのです。

Naverまとめというサイトの、サカナクションの記事です。
http://matome.naver.jp/odai/2136524167642865301

ちなみに元はこれです。一年半前の記事です。
http://tsuneyoshi-in-osaka.blogspot.jp/2011/11/blog-post_10.html


ただの一行で、
なんてことない文章だったんですが、
自分の記事が、人に目に留まって、それを引用してもらえるというのは、
僕にとって、すごく感動的だったんです。



僕は気分で自分の書きたい事をツラツラと書いているだけなのですが、
それが、人の役に立つというのはやっぱり嬉しいものなんです。


こういうことがあるだけでも、
このblogを続けていて良かったなとは思います。



これを機に、もっとみんなに読まれるようなものを書いてやろうとか、
そういう気はあまりありませんが、
自分の中に情報を溜め込まずに放出してみようかなとは思いました。



引用してくださった方、本当にありがとう。

2013年5月17日金曜日

2013年5月10日金曜日

約束しよう。



歴史は繰り返す。


僕も君も巡り巡る。

時代の中で、
巡り巡る。

だから、今日はおやすみ。

2013年5月8日水曜日

A氏の平凡な日常⑬

Aが泣いたの。

あの人、子供みたいに大泣きしたのよ。





その時何を話したのかはもう覚えてないわ。
彼はとにかく大泣きして、捨てるようにお札を置いて、店を出て行ってしまったの。

テーブルには、赤ワインと冷え切ったピザが残ってて、
店員にも変に気を遣わせちゃって、とにかく最悪だったわ。


正直言って、彼があんなに感情的な人だなんて知らなかった。
怒ることもなければ、大喜びすることもなかったもの。
いつもポーカーフェイスで、私からしたら少し物足りないぐらいだった。
それとも、私が気づいてなかっただけかな?


本当のことを言えば、僕は白ワインが良かったんだ。


あぁ今思い出してきた。
たしか彼は、私が嘘をついたとか言っていた気がする。


僕が悪魔になったら、
いや、ならなくて良かったんだ。


たしかに私は嘘をついたけれど、
それは取るに足らない嘘であったし、
彼は私の嘘に敏感すぎたと思う。理想を持っていたからだと思う。


女性は皆、悪魔だから。
でもそれは、男のせいだから。
悪魔にならないと、
女性はやっていけないんだって。
僕は、勝手にそう解釈してた。


でも、正直驚いたわ。彼が私の些細な嘘を見抜くなんて。
まぁもちろん、既に嘘をついてるんだから、嘘で返してしまったけれどね。


僕は、K子の嘘を明かすことはしたくなかった。
あれは明らかに過ちと言えた。




僕はK子の嘘が許せなかった。
それはたしかに些細なことだったが、その嘘に優しさを感じる事はできなかったんだ。

そのことは闇に葬り去ってしまうべきだった。
墓場まで持っていくべきだった。
僕はK子が知る以上にK子を知ってしまっていた。



私が悪いはずなんてなかった。
仮に彼が私に傷ついたとしても、
それは仕方のないことで、
女性が傷つかないための必要悪みたいなものだったのよ。


「なんで黙るわけ?」「あんたいつも自分の中で考え込んで、私には何も言わないで」
「僕は君を傷つけたくないから口に出さないだけだ」
「何よ、傷つけたくないとか」「べつにあんたに何言われたって傷つかないわよ」
「なんで、君のことを思ってるのに、そんな風に言われなきゃいけないの?」
「私のこと?あんたいっつも自分のことばっかりじゃない」「結局自分が大事で、自分の中で勝手に完結してるだけでしょ」「自分に酔ってるだけじゃない、気持ち悪い」


その言葉を聴いた瞬間に僕は涙をこぼしてた。
なんで、こんな風に言われなきゃいけないんだって。
この人とは分かり合えないんだって。
頭が真っ白になっていた。


涙を流すのは、脳が不確実性に対処しきれなくなった時なんだ。
僕の脳は、まだまだ未熟だったのかもしれない。


僕はとにかく涙を手で拭ったんだ。
そしたら、コンタクトが外れて、周りが何にも見えなくなってしまったんだ。
それでも涙は止まらなくて。
とにかく、少しでもK子から離れて落ち着く必要があったんだ。
スペイン坂を急いで下っていった。周りが何も見なくて、渋谷の街が違う景色に見えた。


彼を追いかけていくっていうストーリーは私の中にはなかったわ。
だって、もうすでに彼に対しては冷めきっていたんだもの。



わすれないぞ、ぼくは
わすれないぞ、わすれないぞ
ぼくは、わすれないぞっ



渋谷の街に、雨が降り出した。
その雨は、街の汚れきったものを流していた。
僕はその中をてくてくと、
てくてくと歩いていったんだ。

てくてくと。

A氏の平凡な日常⑫

「私、瑛太あんまり好きじゃない」

A氏は気づくと、K子の言葉を回想していた。
電車の中吊り広告には瑛太が写っていた。

「なんで?」

「なんか、狙ってるかんじがするの」

「狙ってる?」

「それで分かんなきゃ分かんないよ笑」


A氏は、最近聴いていなかったアーティストの曲をかけてみた。
それはスピッツであったりした。

それはいつもより心に響いたと思った。




電車を降りて、改札口を通っても、頭の中からK子は消えなかった。

僕は、K子と出会う前は何を考えて歩いていたんだろうか。

その答えにはいつまでも辿り着かなかった。
それはすなわち、未だ彼が盲目的であったということだ。
30代半ばで盲目的な男など、醜いだけだった。
少なくとも彼自身はそう思っていた。



祝日の街は賑わっていた。
A氏は人々から逃げるようにして、本屋に駆け込んだ。

途中、A氏は女性誌の前で足を止めた。
好きなタレントが表紙を飾っていたからだ。

その雑誌を手に取り、ページをめくった。
それはどうやら働く女性向けの雑誌だった。
女性向けの製品広告が雑誌を彩っていた。

雑誌の後半には、コラムのようなものがあり、
恋愛相談のようなコーナーになっていた。
A氏は中学生の時に姉のファッション雑誌のコラムをこっそり読んでいたことを思い出した。


雑誌に飽きて、本屋をゆっくり歩き回った。
途中、最近読んでいなかった漫画の新刊を一冊買ってみた。
そして、早々に本屋を出た。

空腹でもなかったが、
お馴染みの定食屋に足を運んだ。
お馴染みと言いつつもA氏は無愛想なので、店員には認知されていないようだった。

昼すぎだったので、客は少なく、
いつもの生姜焼き定食を注文し、
鞄から、購読している金融雑誌を出して読み始めた。
さっき購入した漫画より、その雑誌を読みたくなったのだ。

「お待たせしました、生姜焼き定食です」

初めて見る娘だった。
色白に黒髪で、澄んでいた。

「あぁどうも」


電車の中で、ようやく購入した漫画を開いた。
久々だったので前後関係を思い出すまで時間がかかった。

その日、A氏は友人の結婚式の2次会に出る予定だった。
特に用もなかったので、2次会の最寄り駅に向かうことにしたのだ。
2次会の最寄り駅までは急行に乗ってしまえば早かった。
けれど僕は各駅に乗っていた。

その路線にはK子の実家があった。

僕は、もしかしたらK子に会えるかもしれないとか、
そんな気持ち悪い希望を抱いていたんだと思う。
仮に会ったとしても、何があるわけでもなく、
もし仮に何かあったとしても、それは嫌なことだろうと思った。
けれど、気づけば僕はわざわざ各駅に乗っていたんだ。

そのまま、僕はK子の駅を過ぎた。
そして、そのまま2次会の駅まで乗っていく、
はずだった。

しかし、僕は気づいたら、降りて、
折り返していたんだ。
何度も、何度も。

男は終わった恋愛を引きづりやすいと言う。
A氏の場合は、そのことを意識しながらも、無意識にそうなっていたのだ。
それはストーキングという感覚とは違った。
目標物を追うわけではなく、あくまで目標物の事をぼーっと考えていたかったのだ。



それは単なる言い訳に過ぎなかった。
客観的に見て、A氏は病と言っても過言ではなかった。

僕は、何をしているんだろう。

彼は病だった。

いや、僕はただ電車で漫画が読みたいだけなんだ。

彼には漫画はどうでもよかった。

僕は、K子にいつまでも思いを馳せるようなCreepなんかじゃない。

彼はCreepだった。

僕は、全然変なことをしていない。

彼は病だった。

僕は病なんかではない。

彼は病だった。

僕が恋の病なんて。

彼は、恋の病だった。

僕は正常だ。少しK子のことが気になるだけだ。

彼は異常だった。

僕は、異常なんかじゃない。

彼は異常だった。

僕は異常ではない。

彼は異常だった。

僕は、、、


異常かもしれない。