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2011年11月9日水曜日

このストーリーはフィクションです。登場人物などは作者と一切無関係です。

とある病院にて、

医者A「・・・率直に申し上げます」
患者B「はい」
医者A「残念ながら、あなたの思っていたとおりの結果となりました。あなたは、鬱病です」
患者B「・・・はぁ、そうでしたか」

医者A「鬱病に関しては、お薬を処方して改善していくというのが一般的ですし、私もお薬をおすすめしてます」
「ただ、私の場合、ちゃんと個人の状態をふまえた上で、それに合わせた薬なり治療なりを処方していきます」「なので、少しお話させていただけますか?」
患者B「はい、どうぞ」

医者A「これまでにこういった検査は受けてこなかったですか?健康診断とかで一通り行っているはずですが」
患者B「鬱病だって診断されたら色々ややこしくなるだろうなぁと思って」「それに、毎回毎回、質問が(この2週間、死について繰り返し考える。YES or NO)とかだったんですけど、死について考えるのなんて昔からですし、僕は昔から無気力です」

医者A「昔って、どれくらい?」
患者B「んー、、、少なくとも中2のときからそんなカンジですかね」


医者A「中2って、その時なにかあったの?」
患者B「いや、特に」
医者A「そう。。。今、21だよね?中2から今までずっとそうだったってこと?」


患者B「そういうことになるんですかね」


医者A「自殺とかも考えたりしたことがある?」
患者B「それはないです」

医者A「これまで、無気力のせいで生活に支障をきたすようなことはあった?」
患者B「んー、、、毎日10時間以上寝るので、一日の大半を睡眠時間に費やしてしまうっていうことはあります」
医者A「昨日どれくらい寝た?」
患者B「どれくらいだろ寝たのが8時で起きたのが10時だから」
医者A「夜の8時から朝の10時?」
患者B「そうです」
医者A「14時間か」
患者B「いつもそのくらいかもしれません」「でも、エジソンとか天才肌の人も毎日10時間以上寝るって聞いてたんで、そこはポジティブにとらえてました」
医者A「起きた時に無気力だったりする?」
患者B「そうですね、だいたい何のやる気も起きません」
医者A「なるほど、なるほど」

患者B「でも、睡眠時間より対人関係で支障をきたすことの方が多いかもしれない」
医者A「具体的に聞いてもいい?」
患者B「基本的に僕、他人には無関心なんですけど、あまりにも空虚感に耐えられなくなったときは、無性に人を求めてしまうんです」「まぁ、それがどう支障をきたしたのかは言いたくないんですけど」

医者A「言いたくなかったら、話さなくて大丈夫だよ」「人を求めることは全然悪いことじゃないと思うし、人と触れ合うことで精神の安定は保たれるんだよ」
患者B「きれいごとにしか聞こえないんですけど、それは医学的見解ですか」
医者A「もちろん。医学的にはっきりと証明されているよ」
患者B「よく分かんないですけど、僕はプラマイゼロな気がします」「人と触れ合ってマイナスなことだってたくさんある、と、思います」
医者A「そういったことも含めて、トータルはプラスなんじゃないかな」
患者B「そうですか」

医者A「君はこういった精神的な悩みみたいなことを親に話したりしたことはある?」
患者B「ないですね、全く」
医者A「誰にも話したことはないのかな?」
患者B「数少ない友人になら、悩みというか愚痴みたいのを漏らすことはあります」
医者A「話して気持ちが楽になったりする」
患者B「一時的にはなるかもしれないですね」
医者A「一時的にということは、やっぱり空虚な気持ちとかは変わらないのかな」
患者B「そうですね」「あと、最近思うのは、そういう数少ない友達ですら、こういう僕の病が必要としただけであって、実は本当の「友達」じゃないんじゃないかって気がしてます」「結局、自分の病気がもたらす空虚感を埋めるためのものだったんじゃないかって」「そう、考えると、さらに虚しいですし、今まで僕が思ってた「友情」とかなんだったんだ?って話です・・・ほんとに・・・」

医者A「・・・君の友達がどう思ってるか分からないけど、少なくともお互いがにお互いに対して「友達」として何か惹かれるものを感じたんじゃないのかな」
患者B「じゃあ僕の病気が完治したとしても、僕はその友人を求めるってことですかね」
医者A「うん、そこは変わらないんじゃないかな」
患者B「だといいです・・・ほんとに」「てか、そもそもこの病気って完治するんですか」

医者A「完治した事例もたくさんあるよ。けれど、少なくとも半年近くはちゃんと病気と向き合っていかないといけないね」
患者B「はい」
医者A「でも、君の場合、こうして僕とも自分の精神状態について話せているし、生活状態もそこまで悪くないようだから、もしかしたら人より早く完治できるかもしれない」
患者B「僕はずっとこうなので、逆にこうじゃない自分が想像出来ないです」
医者A「大丈夫、きっと良くなります」
患者B「・・・」

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