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tokyo, Japan
パソコンとお香があればだいたい幸せです。

2012年8月2日木曜日

とある教室にて

キーンコーンカーンコーン

「Aさん」
「な、なに?」
「僕はあなたのことが好きだ」
「え?」
「僕はあなたのことが好きなんだ」
「そんなに私と話したことあったっけ?」
「いや、少し話しただけで僕には分かる、あなたの魅力が」
「いちいち絶句しそうになるわね」
「僕は自分が今どういうことをしているか理解しているし、それによって君が僕をどういう風にとらえるかというおおよその予測はついているつもりだ」
「。。。わかったから、そこをもうどいてよ」「私お弁当食べて、レポートやんなきゃいけないんだから」
「返事が欲しい」
「返事?」
「僕が君を好きだということに対する返事」

「んー、そうね、残念だけど、私はBのことなんとも思ってないわ」
「、、、、そう言われると思っていた」
「なに?罰ゲームなの?」
「違う、罰ゲームなんかじゃない」「真の気持ちです」

「次、あなたがこういうことを犯さないために、アドバイスしてあげるわ」
「次なんかないよ、これは最初で最後なんだから」
「最後だとしてもアドバイスするわ」「まずね、ストレートに告白するのは良いと思うけど、度が過ぎるわ」「昼休みになった瞬間に大して仲も良くないクラスメイトが机の前に現れて、なんの前フリもなく告白するなんて」
「僕が生きてるのは「今」なんだ」「君に告白しようと思った瞬間に告白しなければ意味がないんだ」
「、、、それはあなたの哲学でしょ」「女の子と付き合いたいなら、段階を踏んで近づかなきゃ」
「知ってるよ、何気ない会話をして、笑顔で話して、それとない理由をつけて連絡先を聞いて、くだらないメールをして、電話をして、デートに誘ったりして、相手の気持ち探って、駆け引きして、女友達に相談したりして、告白するんだろ?」
「なによ、分かってんじゃないの」
「これらを企んで近づくことに何の意味があるんだ?」
「意味?意味というか、人は段階を踏まないと他人を受け入れられないんだから仕方ないでしょ」
「僕は何も君に受け入れられようと思って告白したわけじゃない」「見返りなんか何も求めていやしない」「情だ。ただこの感情を伝えただけだ」
「。。。。」「今ので不覚にも少しときめきそうになったわ」
「僕は、日常に、いや人生に絶望しかけている」「ただし、君という存在を除いて」
「私にゾッコンなのは嬉しいけど、とても重く感じるわ」
「構わない」「僕は君に好きな人がいるのを知っている」
「は?」
「バレインタインのチョコを渡しているところを見てしまった」
「だから何よ」
「僕はそれを目の当たりにして、空虚な気持ちに陥った」
「あら、そう」
「それは果てしない絶望だった」
「良かったわ」
「しかし、僕は、君の好きな彼もひっくるめて好きになろうと思うんだ」
「。。。。」
「だから、君が誰を好きでいようが、僕をどう思おうが、僕は君が好きなのだ」
「。。。。」

「わかったから、どっか行って」

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